液体は、固体と異なり流動性をもつ凝縮系である。有機分子には立体的なかたち=配座という自由度があることに注目すると、液体は、多数の配座が混在し動的に変化する「多配座ダイナミクス」を許容しうる特異な凝縮系と言え、固体では実現できない未踏機能が眠ると期待される。本研究では、独自の柔軟な機能骨格「チエニルジケトン」を基盤とし、巨視的物性、分子配座、光機能が多配座ダイナミクスによって連動する、革新的な有機りん光液体を開発する。