本研究は、気候変動に対する極北先住民の適応実践を、彼らの狩猟・漁労活動と食料分配システムの分析と、極北域を領土とする各国が実施する諸政策の検討から明らかにすることを通して、極北・亜北極を生活領域とする人びとの食料安全保障問題(人びとが安全かつ嗜好に見合った食べ物を充分に得られる状態を達成するために解決すべき諸問題)について総体的に検討することを目的とする。本研究では、国内外研究者から構成されるプロジェクトチームを組織し、アメリカ、カナダ、ロシアに暮らす、混合経済(生存狩猟・漁労経済と貨幣経済が混合した経済体制)を生きる先住諸民族を対象とする。