本研究では,これまで研究代表者が推進してきた先端的な光電子可視化技術「超原子軌道イメージング」を合金クラスターに適用します。異なる電子配置を有する金属元素間において価電子の協同性が発現するのかを明らかにし,分光学的軌道エネルギーを指標する独自の解析を加えることで,その支配因子を探ります。今や微細加工技術の精度は数 nm(=クラスター領域)に迫る進化を遂げており,原子1つの違いが物性を決める時代に突入しています。本研究では,このような極微空間における電子協同性の学理を究め,22世紀に到来するであろうサブnmサイズの量子材料研究に資する基礎物理化学的知見を創出することが目的です。