看護基礎教育における模擬患者養成プログラムの実際とその検証

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説明

【目的】本研究の目的は,看護基礎教育における模擬患者(Simulated Patient:以下SP)養成プログラムを構築し,SP の評価からSP 養成プログラムの評価を行い,本SP 養成プログラムの有効性を検証することである. 【方法】A市内の一般市民から公募した52名を対象に,SP 養成コース:入門編とフォローアップコース:実践編を開催し,各回のアンケート結果の内容からコースの内容を検証した. 【結果】参加者52名の年齢構成は50~60歳代が中心で,参加を希望した動機は「学生の役に立ちたい」,「興味があった」,「自分のためになる」,「社会貢献できる」であった.受講者は,入門編の回を重ねていくごとに,演じることの困難さや,フィードバックの困難さを感じる傾向にあった.特に,フィードバックでは,「演技中に心の動きを記憶すること」,「良かった点と悪かった点をバランス良く伝えること」が困難 と回答しており,フィードバックの質の部分で困難さを示す回答が多かった. 【考察】本プログラムを通して,受講者はフィードバックの難しさを感じていた.これは,SP としての役割を理解したからこそではないかと考える.また,A大学の授業参加は,SP の身体的疲労や精神的疲労にも大きな影響を与えることはなかった.よって,A大学におけるSP 養成プログラムは,SP の理解や役割,役割を果たすためのスキルを身につけるために有用であったと考える.今後は,SP のスキルアップを維持・向上させるような継続的な支援が必要であると考える.

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