健常若年者及び高齢者の最大舌圧と握力の検討

書誌事項

タイトル別名
  • ケンジョウ ジャクネンシャ オヨビ コウレイシャ ノ サイダイ ゼツアツ ト アクリョク ノ ケントウ
  • The relationship of maximum tongue pressure and grip strength of young and elderly healthy subjects
  • Saito, Kentaro
  • Saito, Ayako
  • Shibamoto, Isamu

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抄録

舌は咀嚼・摂食嚥下時の全過程において重要な働きをしているため,舌運動機能評価は非常に重要であり,最大舌圧測定は方法の1 つとして有用とされている.一方,握力は体力や全身の筋力の指標とされている.本研究では「全身の筋力から口腔機能の推測が可能か」を検討する目的で最大舌圧と,握力との相関について調べた.対象は健常若年成人27 名(男性9 名・女性18 名),平均年齢20.7±0.6 歳,と健常高齢者17 名(男性11 名・女性6 名),平均年齢74.1±4.5 歳であった.測定方法は,最大舌圧測定はバルーン型舌圧測定器を使用し,握力測定はスメドレー式握力測定器を使用した.若年者群,高齢者群の最大舌圧と握力の相関係数はそれぞれr=0.701(p<0.01),r=0.754(p<0.01)で,ともに有意な相関関係を認めた.握力は最大舌圧に相関するため,健常高齢者では,握力測定が口腔機能の推定に役立ち,特殊な装置を必要としない嚥下障害のスクリーニング検査を行うことができる可能性を示唆している.

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