ファシリテイテッド・コミュニケーションによって語り出した「自閉」の人たち

書誌事項

タイトル別名
  • Autistic People who Started Getting Out Words through Facilitated Communication
  • ファリシテイテッド コミュニケーション ニ ヨッテ カタリ ダシタ ジヘイ ノ ヒトタチ

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説明

自閉症の人とのコミュニケーションにおいては,間主観的なかかわりあいに基づく援助が求められる.その1つがファシリテイデッド・コミュニケーション(FC)である.筆者は,FCの成立には,援助者とクライエントの間で展開される快適な身体の体験を媒介とした三項関係が重要であると考え,これを"BEST"呼んだ.BESTは,また「なぞり」の形成をも可能にする.「なぞり」とは,他者の行動の型を受容・共有・表出することによって,その型を自分の中に内在化させる活動のことである.つまり,「なぞり」は,行動の背後にある感情的世界や意味的世界に対して心身が同調し,こうした心身態勢によって対象をとらえ,それを自分の中に内在化させる活動である.FCの成立の心理学的メカニズムは,単に運動動作のコントロールの援助にあるのではなく,こうした間主観性にあるものと考えられる.

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