書誌事項
- タイトル別名
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- Imperial Ideology in The Island of Doctor Moreau : Decline of the British Empire and its Reaction
- モロー ハクシ ノ シマ ニ ミル テイコク ノ イデオロギー ダイエイテイコク ノ スイタイ ト ソノ ハンドウ
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説明
H・G・ウェルズの『モロー博士の島』(1896年)は、ダーウィンやT・H・ハクスリーの進化論思想を用いて分析されたり、またスウィフト的寓意として解釈されてきた。しかしこれらの批評には、このテクストが産み出された当時の歴史的状況に対する考察が欠けている。本稿では、『モロー博士の島』を社会的、政治的文脈のなかに位置づけ、当時の社会情勢がこのテクストのなかにどのように表れているかを分析した。ロンブローゾ、ウィリアム・ブース『暗黒のイングランドとその出口』、ノルダウ『退化』といったテクストを参照しながら、初稿と出版稿との比較、白人の登場人物の象徴的意味、物語の寓意的意味といった点を中心に分析し、『モロー博士の島』が、大英帝国の衰退に対する恐怖心から生まれたイデオロギー-世紀末大英帝国の人種退化、植民地主義、優生学をめぐる言説-の交錯し重なり合った重層的なテクストであることを論じた。
収録刊行物
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- 保健科学研究誌
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保健科学研究誌 (2), 109-120, 2005-03-15
熊本保健科学大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001201684001024
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- NII論文ID
- 110004630866
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- NII書誌ID
- AA11977739
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- ISSN
- 13487043
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- NDL書誌ID
- 7738631
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
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