共焦点レーザー顕微鏡を用いた3D教材の開発

書誌事項

タイトル別名
  • キョウ ショウテン レーザー ケンビキョウ オ モチイタ 3D キョウザイ ノ カイハツ
  • Development of 3D Teaching Materials using the Confocal Laser Scanning Microscope

この論文をさがす

抄録

本研究では、中学校理科の教科書で扱われる「生物」に関連した内容に着目し、3D教材を作成した。教科書に登場する生物の写真や模式図は、それ自体美しいものではあるが、写真が提供する情報は2次元的なものであり、生物の厚みやそれぞれの詳細な構造のつながりを立体的に理解することは難しい。生物の構造を理解することは、その機能を理解する上で非常に大切なことは疑うべくもないが、このことを授業や実験で示すことは、実際の教育現場で保有する顕微鏡では非常に難しいといわざるを得ない。そこで本研究では、こうした細胞レベルでの微細な構造に関して、共焦点レーザー顕微鏡を用いた3D立体再構築を行い、教科書の内容をより良くサポートする3D教材を開発することを目的とし、微小管を標識する抗体を用いた間接蛍光抗体染色および核を標識するDAPI染色を行うことにより、ラッパウニの受精卵からプリズム胚における発生の様子と細胞骨格及び核の構造に関する3D教材を完成させた。これは、中学校学習指導要領(2008)に新たに導入された「動物の生活と生物の変遷」や「生命の連続性」の単元において、また高校用教科書では「発生」という単元で取り上げられる内容である。この教材は、顕微鏡観察により得られた数十枚の光学切片像を、AVIファイルとして連続的に示すことや、コンピューターによる立体再構築画像を回転するムービーとして示すことが可能なものとなっている。また、本研究では、視覚のバリアフリーについても考慮し、共焦点レーザー顕微鏡付属の擬似カラー変換機能を用いて、出来る限り多くの利用者が識別可能な配色を採用した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ