経営学及び経営組織研究における「遊び」概念の変遷 ―Kavanagh(2011)への批判を中心に―

書誌事項

タイトル別名
  • The Transition of the Concept of ‘Play’ in Business Administration and Organizational Studies: A Critical Study of Kavanagh(2011)
  • ケイエイガク オヨビ ケイエイ ソシキ ケンキュウ ニ オケル 「 アソビ 」 ガイネン ノ ヘンセン : Kavanagh(2011)ヘ ノ ヒハン オ チュウシン ニ

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抄録

本論文の目的は,経営学・経営管理論及び経営組織研究における「遊び」概念の変遷を明らかにし,今後の経営組織研究の「遊び」研究の指針を模索することである。現在,イノベーティブであることを求められる企業,例えばIT 業界やエンターテインメント業界の企業において,業務の中に「遊び」または「遊び」の要素を取り入れることが半ば常識化している。また学術的にも,特にヨーロッパを中心に経営組織研究のコミュニティにおいて「遊び」概念が,学会や学会誌の特集として組まれるなど,注目を集めつつある。以上のような社会的・学術的背景の下,本論文では,経営学において「遊び」が取り入れられるようになったプロセスについて,Kavanagh(2011)のレビュー論文を共感的且つ批判的に分析することによって明らかにするとともに,今後の経営組織研究の「遊び」研究の方向性について議論する。 はじめに,経営学における「遊び」概念の受容プロセスについて議論した。第2 に経営学におけるパラダイム論争を概観し,経営学の関心の変遷について議論した。以上の議論を通して第3 にKavanagh(2011)の研究を経営学のパラダイム変遷の視点から分析する。 以上の3 点の議論を通して,現状における経営学における「遊び」研究は,機能主義パラダイムからは脱することが出来ておらず,今後より広範なパラダイムからの研究が必要であると結論付けた。

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