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- 伝統食「すし」の変貌とグローバル化
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1980年代以降、世界的に「すし」ブームが広がった。世界でsushiとして想定されているのは、約200年前の江戸・文政年間に誕生した江戸前鮨(握り鮨)である。しかし目下、世界で食べられているのは、主に巻き寿司を中心とした「ロール寿司」や「変わり寿司」である。本稿では寿司の特徴を考察し、日本と世界の連続性の有無を明らかにした。 寿司の特徴を列挙すると、①握り鮨は江戸で生み出されたファストフードであった。②握り鮨の誕生後にマグロが使われるようになった。③握り鮨が全国に広がったのは、終戦直後に委託加工制が導入されたからであった。④戦後の物流と冷凍技術の発達によって、世界中のマグロが取引されるようになり、寿司のグローバル化が進んだ。⑤回転寿司はファストフードとしての特徴を最もよく表わし、グローバル化に貢献した。⑥寿司のグローバル化はフュージョン化を意味し、世界の各地域に合った寿司が生み出された。 食文化は固定的なものではなく、歴史性と地域性によって変化していく。本稿で取り上げた寿司も同様で、グローバル化のなかで多様性をもち、各地域に定着していった。
Journal
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- THE BULLETIN OF THE INSTITUTE OF JAPANESE CULTURE KYOTO SANGYO UNIVERSITY
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THE BULLETIN OF THE INSTITUTE OF JAPANESE CULTURE KYOTO SANGYO UNIVERSITY 24 37-78, 2019-03-25
京都産業大学日本文化研究所
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050001201689509632
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- NII Article ID
- 120006603579
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- NII Book ID
- AN10537878
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- HANDLE
- 10965/00010247
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- ISSN
- 13417207
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB
- CiNii Articles