薄筋弁で修復した難治性回腸新膀胱膣瘻の1例

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タイトル別名
  • Surgical repair of persistent ileal neobladder-vaginal fistula using gracilis muscular flap: a case report
  • ハクキンベン デ シュウフクシタ ナンジセイ カイチョウ シンボウコウ チツロウ ノ 1レイ

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抄録

70歳女。尿失禁を主訴とした。2005年に前医で浸潤性膀胱癌と診断され, 膀胱全摘除術, U字回腸新膀胱造設術を施行された。このとき腟前壁も合併切除し, 後壁は縫縮するのみとした。術後3週間後に尿道留置バルーンカテーテルを抜去したが, 高度の尿失禁が持続し新膀胱腟瘻を認めた。瘻孔閉鎖術を施行したが再発を繰返し, 当科紹介となった。腟口から2cmの位置に2cm大の瘻孔を認めた。検尿では白血球28.5/1視野と膿尿を認め, 尿培養では大腸菌を認めた。膀胱造影では新膀胱尿道吻合部付近で腟への造影剤の流出を認めた。難治性新膀胱腟瘻と診断した。臨床経過から血流良好な組織の補填が必要と考え, 腹部手術の既往もあることから薄筋弁を用いた閉鎖術を選択した。術後約2年の現在, 外来経過観察中であるが, 瘻孔の再発, 残尿は認めず, 尿失禁パッドの使用は1日2枚程度であった。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 54 (10), 673-676, 2008-10

    泌尿器科紀要刊行会

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