磁化容易軸タイプの異方性DΣ_j(S^z_j)^2(D<0)を持つ反強磁性体に、この軸に平行な磁場をかけた場合、ある臨界磁場でスピンフロップと呼ばれる一次相転移を示すことが知られている。このスピンフロップに対応する磁場中相転移は、一次元の量子スピン系では、強い量子ゆらぎのために、磁化のジャンプを伴わない、2回の二次相転移になり得ることを、有限クラスターの数値対角化を用いた解析により示す。この2つの相転移の間には、古典系では現れることのない、磁場に平行なincommensurate SDWが実現するものと考えられる。
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物性研究 72 (6), 811-816, 1999-09-20
物性研究刊行会