迷入した鍼灸針による膀胱結石の1例

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タイトル別名
  • Bladder stone secondary to migration of an acupuncture needle
  • メイニュウシタ シンキュウバリ ニ ヨル ボウコウ ケッセキ ノ 1レイ

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抄録

61歳男性。患者は10年来の前立腺肥大症に対し近医にて内服治療を行っていたが, 排尿困難が徐々に増悪し, 膀胱痛も出現したため, 手術目的で著者らの施設へ紹介となった。所見では逆行性尿道造影で前立腺中葉の肥大, 膀胱内へ突出が認められ, 腹部単純X線では骨盤内に2cmの石灰化とそれに重なる針状異物を認めた, また, 血清PSAは高値を示していたが, 前立腺針生検では悪性所見は認めなかった。以上より, 本症例は重症の前立腺肥大症および膀胱結石と診断され, 経尿道的膀胱結石摘出術とTURPを同時に施行したところ, 術後, 排尿困難および膀胱痛は改善, 軽快退院となった。尚, 本症例は20年前に腰痛に対して鍼治療を行った際, 針の先端が折れて体内に残存した経験があり, 今回の膀胱結石は体内に残存した鍼灸針が膀胱内に迷入, これを核にして形成されたものと考えられた。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 54 (5), 365-367, 2008-05

    泌尿器科紀要刊行会

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