前4世紀アテナイにおける通婚禁止令とアポロドロス弁論の女たち

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タイトル別名
  • The Case of Archippe: The Prohibition of Mixed Marriage in Fourth-Century B.C.E. Athens
  • ゼン 4セイキ アテナイ ニ オケル ツウコンキンシレイ ト アポロドロス ベンロン ノ オンナ タチ

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抄録

本論稿は, 第11人目のアッティカ弁論家と呼ばれるアポロドロスによる, 紀元前4世紀前半の3人の非市民女性についての言及をとおして, この時代のアテナイにおける女性の市民性について考察するものである。アルキッペ, ネアイラ, ファノの3人はいずれも通婚禁止令によってアテナイ市民との結婚を禁じられながらも, 事実上市民の妻となった。なかでもアポロドロスの母アルキッペが, 夫パシオンにたいする市民権賦与によってどのような社会的地位にたたされたのかは, これまでも議論を呼んできた。ここでは, 通婚禁止令の制定年代の下限を前370年に確定するとともに, この通婚禁止令によってはじめて, 娘・妻・母という市民のオイコスにおける女性の立場が一体化し, 市民のオイコスの純潔性が法制上確立されたことを論じる。

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