術中に認識されず術後早期に軟性膀胱鏡を使用し診断したTVT膀胱貫通の1例

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タイトル別名
  • Bladder perforation of the tension-free vaginal tape detected with a flexible cystoscope

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抄録

症例は67歳、女性、骨盤内手術の既往なし。TypeII b腹圧性尿失禁に対しTVT手術を施行。穿刺時に70°硬性膀胱鏡で確認するも、穿孔は認めなかった。プラスチックカバー除去後に軽度の肉眼的血尿が見られ、70°硬性膀胱鏡で再度確認するも、明らかな膀胱穿孔は認めなかった。翌日尿道カテーテル抜去後より尿意切迫、頻尿、排尿時痛、肉眼的血尿を呈した。症状の改善なく、術後8日目に軟性膀胱鏡を施行、膀胱左側頸部近傍にテープの粘膜下貫通、これに沿った粘膜のびらんが認められた。TVT手術後15日目に左下腹部横切開にてテープ部分除去術を行った。術後尿失禁の再発はなく、尿意切迫は残存するものの、頻尿、排尿時痛、血尿は消失した。これまでにも70°膀胱鏡によりTVT術中の膀胱穿孔が見逃される可能性が報告されており、本症例では軟性膀胱鏡にてその存在を証明した。軟性膀胱鏡は、硬性鏡で見逃されるような膀胱貫通も同定でき、術中に使用することも有用である可能性がある。(著者抄録)

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 52 (10), 805-807, 2006-10

    泌尿器科紀要刊行会

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