量子スピン系におけるカイラル対称性の破れ(京大基礎研短期研究計画「フラストレーションとカイラル秩序」,研究会報告)

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タイトル別名
  • 量子スピン系におけるカイラル対称性の破れ
  • リョウシ スピンケイ ニ オケル カイラル タイショウセイ ノ ヤブレ

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抄録

競合量子スピン系における新しい秩序相「カイラル相」の存在を種々のスピン系で確認したので、その結果を報告する。対象とした系は、反強磁性的第2近接までの相互作用を持つS=1/2、1、3/2、2 XXZ量子スピン鎖で、その秩序状態を数値的厳密対角化および密度行列繰り込み群によって調べた。その結果、「カイラル相」、即ち、カイラリティk_i=S^x_iS^y<i+1>-S^y_iS^x<i+1>が長距離秩序となり、パリティを破る相が第2近接相互作用の大きいXY領域で出現すること、そのカイラル相には、ギャップのある相(ギャップドカイラル相)とない相(ギャップレスカイラル相)が存在すること、ハイゼンベルグ領域ではカイラル相は出現しないこと、等が明らかになった。

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収録刊行物

  • 物性研究

    物性研究 75 (1), 133-138, 2000-10-20

    物性研究刊行会

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