自然腎盂外溢流の6例

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タイトル別名
  • Six cases of spontaneous peripelvic extravasation from the renal pelvis

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説明

自然腎盂外溢流の6例と, 本邦報告例26例の32例と, 腎盂破裂29例について臨床的検討をおこなった.1)年齢は「溢流」と「破裂」で差は認めなかった.2)「溢流」では26:5(不明1例)で男性に多くみられたが, 「破裂」では15:14と性差はみられなかった.3)「溢流」では10:22で左側に多かったが, 「破裂」では左右差はみられなかった.4)主症状は「溢流」・「破裂」ともに側腹部通が多かった.両者で差のみられる症状としては, 「破裂」で腹部腫瘤と胸水がみられた.5)白血球増多, 赤沈亢進および筋性防御からみると「破裂」の方が, 「溢流」より重篤な傾向がみられた.6)原因としては「溢流」・「破裂」ともに尿路結石症が多かった.とくに溢流では米粒大以下の小結石が多かった.7)「溢流」では保存的に治癒せしめる可能性が大きく, 適切な腎盂内圧の減圧が有効と思われた.適切な減圧がおこなわれれば「溢流」では数日で造影剤の漏出は消失すると思われた.8)「破裂」では尿嚢腫, 腎周囲偽嚢胞, 後腹膜膿瘍, 後腹膜血腫などの合併症がみられたのに対し, 「溢流」ではこれらは認められなかった

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 31 (7), 1171-1182, 1985-07

    泌尿器科紀要刊行会

被引用文献 (3)*注記

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