回腸導管再建術後高クロール性代謝性アシドーシスをきたした1例

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タイトル別名
  • Hyperchloremic metabolic acidosis after ileal conduit reconstruction: a case report

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説明

70歳男.7年前に膀胱癌, 前立腺癌で膀胱尿道全摘除術及び回腸導管造設術を施行された.術後1年に尿管小腸吻合部狭窄を認め, 順行性に両側ステント留置した.その後ステントの閉塞が頻回となり, 両側に腎瘻を造設したが, 腎盂腎炎を繰り返した.更にカテーテル留置に起因する感染結石が判明し, 両側の経皮的腎結石破砕術後, 腸導管再建術を施行した.尿管は狭窄部付近で蠕動を認めず, 回腸を長く遊離し, 大血管の両側で吻合する方針とした.回腸導管を摘除した後, 回腸を遊離してS状結腸背側に通し, その両側で尿管を吻合した.術後4ヵ月で著明な代謝性アシドーシスを来たし, ナトリウム, クロールの高値, 腎機能低下を認めた.右大腿静脈にダブルルーメンカテーテルを留置して炭酸水素ナトリウムによる補正を開始した.全身状態が良好となった時点で回腸導管造影を行ったが, 尿の流出は良好であった.その後軽度の腎機能低下, クロールの高値は続いているが, 炭酸水素ナトリウム2g/日の投与で酸塩基平衡は正常に保たれている

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 48 (12), 757-759, 2002-12

    泌尿器科紀要刊行会

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