日本における高齢者生活保障の起源 : 1954年厚生年金保険法改正に寄せて

書誌事項

タイトル別名
  • ニホン ニオケル コウレイシャ セイカツ ホショウ ノ キゲン 1954ネン コウセイ ネンキン ホケンホウ カイセイ ニ ヨセテ
  • An Note on Public Pensions and Employment Policy for the Elderly : Focusing on the Employees' Pension Insurance Law of 1954

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説明

1. はじめに : 1994年, そして2000年の相次ぐ厚生年金保険法の改正によって, 同年金の支給開始年齢は定額部分, 報酬比例部分ともに60歳から65歳へと段階的に引き上げられることになった。今まさに, 以上はその途上にある。ところで, 厚生年金保険法の上記改正は, 高齢者の生活過程のみならず, 彼らの労働過程にも大きな一石を投じた。改正当時, 多くの企業において定年年齢が60歳に設定されていたことは周知のとおりである。なお, その60歳定年制との間に生じるであろう5年間の「空白期間」に対する政策的対応はといえば, 高年齢者雇用安定法の改正によって果たされた「企業」の領域の拡大をこそ指摘できよう。つまり, 2004年, 2012年の高年齢者雇用安定法の改正を経て, 60歳代前半層の希望者全員を引き続き雇用し続けることが各企業に対して課されるようになった。そして, それは厚生年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールに沿う形で, 段階的に進められているのである。……

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 117 (4), 93-114, 2017-03

    大阪市立大学経済学会

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