吉田義三教授が遺された課題 : 非代替的な生産関数の下での完全雇用成長の可能性について

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タイトル別名
  • ヨシダ ヨシゾウ キョウジュ ガ ノコサレタ カダイ ヒダイタイテキ ナ セイサン カンスウ ノ シタ デ ノ カンゼン コヨウ セイチョウ ノ カノウセイ ニ ツイテ
  • ヨシダ ヨシゾウ キョウジュ ガ ノコサレタ カダイ ヒダイタイテキ ナ セイサン カンスウ ノ モト デノ カンゼン コヨウ セイチョウ ノ カノウセイ ニツイテ
  • A problem inherited from prof. Yoshida : is it possible for the economy to keep full employment growth under the production function with no substituability between labor and capital?

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抄録

資本主義経済が完全効用成長経路またはその周辺を少なくとも長期的に進むことは, この経済システムが持続可能であることの不可欠な条件である。この論文では, (i)新古典派的なwell-behavedな生産関数に対して, 生産要素間で非代替的な生産関数が前提され, かつ(ii)新古典派的な代表的家計に代わって, 労働者の消費行動と資本家の消費行動とが区別される。さらに(iii)資本家及び(資本家の代理人である)企業の経営者が長期的には完全雇用成長を信じていること, 及び(iv)今期の名目賃金率は前期に企業によって設定されることが仮定される。そのような設定のもとで, (a)企業が十分大きい価格弾力性を持つ生産物需要関数に直面している場合, かつその場合にのみ, 資本家の予想通り長期的に完全雇用成長経路が達成されること, またそれに加え, (b)企業が十分大きい賃金率弾力性を持つ労働供給関数に直面している場合, 成長経路はユニークに決まること, しかし(c)短期的には労働生産性の上昇率と資本係数がそれらの長期的トレンドから乖離することによって不況や好況が起こることが示される。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 101 (1), 103-129, 2000-06

    大阪市立大学経済学会

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