混合寡占, 報奨制度, および所有権構造の選択

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タイトル別名
  • コンゴウ カセン ホウショウ セイド オヨビ ショユウケン コウゾウ ノ センタク
  • Mixed oligopolyincentive contractsand the choice of ownership structure

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説明

本稿は混合複占における公営企業と民間企業の間に費用にかんして非対称性を導入する。政府は, 自らが所有する公営企業を民営化すべきか否か, ということのみならず, 経営者を雇用して生産決定を彼に委ねるべきか否か, ということをも含む所有権構造の選択問題に直面する。民間企業の2つの所有権構造を所与として, 政府は次の4つの選択肢から社会的厚生を最大にする所有権構造を選択する。(1)政府が公営企業の経営権を経営者に委任する。(2)政府が公営企業の経営権を留保し, 自ら経営に乗り出す。(3)政府は公営企業を民営化して, それの経営を経営者に委ねる。(4)政府は所有者である企業家に民営化した企業の経営を委ねる。概ね, 市場の規模が相対的に大きい場合には, 政府は経営者を雇用して, 彼に経営を委任することを選択することが望ましい。市場の規模が相対的に小さい場合には, 政府は公営企業を民営化して, それの経営を経営者に委ねるか, あるいは企業家に委ねることが望ましい, という結論が成立する。所有者の経営努力の限界不効用関数の勾配が非常に小さく, 市場の規模が相対的に小さい場合には, 政府は, 公営企業の経営権を留保し, 自ら経営に乗り出す, という選択肢を採用することが望ましい, という結論にも到達する。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 100 (3), 39-64, 1999-12

    大阪市立大学経済学会

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