母子関係における愛着と依存・自律の関連-情緒的側面に焦点を当てて-
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説明
本研究は、母子関係において形成された愛着が、子どもの依存欲求および依存性、自律欲求および自律性にどのような影響を与えるのかということについて検討した。大学生を対象に質問紙調査を実施し、子どもの頃の母親との関係を想起しながら回答してもらった。その結果から安定型、愛着軽視型、愛着恐怖型、とらわれ型の4つの愛着スタイルに分類し、愛着スタイルごとに依存と自律の関連を検討した。 その結果、依存に関しては、安定型ととらわれ型は依存欲求が高く、依存性も高い、愛着軽視型と愛着恐怖型は依存欲求が低く、依存性も低いという結果となった。自律に関しては、愛着軽視型と愛着恐怖型は自律欲求が高く、自律性も高い、安定型ととらわれ型は自律欲求が低く、自律性も低いという結果であった。このことから、どのような愛着スタイルであっても、母親が子どもの必要に応じて、しっかり子どもと関わり、コミュニケーションを取っていることが、子どもの安心感の獲得につながり、安定した依存や自律が可能となることが示唆された。
収録刊行物
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- 福岡県立大学心理臨床研究 : 福岡県立大学大学院心理教育相談室紀要
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福岡県立大学心理臨床研究 : 福岡県立大学大学院心理教育相談室紀要 6 93-101, 2014-03-31
福岡県立大学心理教育相談室
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001202503745280
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- NII論文ID
- 120006250367
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- NII書誌ID
- AA12517279
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- ISSN
- 18838375
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles