与論島における広東住血線虫の調査

書誌事項

タイトル別名
  • A survey of Angiostongylus cantonensis in Yoron Island

この論文をさがす

説明

広東住血線虫(Angiostongylus cantonensis)は太平洋の島々,東南アジアに広く分布するネズミ類の寄生虫である.陸産軟体動物(マイマイ・ナメクジ)が中間宿主となり,人が誤って本線虫が寄生した中間宿主を摂取すると,幼若成虫がクモ膜下腔などに寄生し好酸球陸髄膜脳炎を起こし,まれではあるが死に至ることもある.最近,沖縄で死亡例が発生したことから,今回,広東住血線虫の分布調査を与論島で実施した.2003年12月に合計186個のトラップを設置し,クマネズミ19匹を捕獲した.トラップを設置した6地点中5地点でクマネズミが捕獲され,1地点から広東住血線虫が検出された.クマネズミの感染率は10.5%(2/19)であった.与論島ではほぼ全域にクマネズミが分布していると推測され,広東住血線虫の人体感染の起こる条件を備えていると考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ