抑うつ傾向と気分状態が自己認知に及ぼす影響 : 気分一致効果の再検討

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タイトル別名
  • Effects of Depression and Mood on Self Perception: A Reappraisal of Mood-Congruent Effect in Depression
  • ヨクウツ ケイコウ ト キブン ジョウタイ ガ ジコニンチ ニ オヨボス エイキョウ : キブン イッチ コウカ ノ サイケントウ

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抄録

本研究の目的は,抑うつ傾向と気分状態が自己認知にどのように影響を及ぼすか,第一にこれまで広く見出されてきた抑うつ傾向におけるネガティブな自己認知を確認するとともに,そのような認知バイアスに抑うつ傾向と気分状態のいずれがより大きな影響を及ぼしているのかを検討すること,第二に,自己認知の特にどういった側面に抑うつ傾向や気分が影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目的とし,田上(2002, 実験1) の自己関連度評定に関する再分析を行った。結果,抑うつ傾向におけるネガティブな自己認知は確認されたものの,ネガティブ語の自己関連度評定とポジティブ語の自己関連度評定は対称的ではないこと,自己の中でも抑うつ傾向と気分状態が広く影響を及ぼしている面(“情動性”),気分状態が影響を及ぼしやすい側面(“調和性”) があること,一時的な気分は認知に影響を及ぼさないわけではないことが示唆された。

弘前大学教育学部紀要. 105, 2011, p.117-123

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