コロンブスと食人伝説カニバリズム

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  • コロンブス ト ショク ヒトズテセツ カニバリズム
  • Columbus and Cannibalism Rhetoric
  • コロンブス ト ショクジン デンセツ カニバリズム

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抄録

人が人を食べる習俗をカニバリズムという。「獰猛野蛮の極み」といったイメージをもつこの言葉は、コロンブスによってスペインに報告され、その後、人肉を食らう裸族の想像画をともないながらヨーロッパ世界に広がっていった。「新世界」を「発見」したコロンブスは、まだ見ぬ異民族に対し、マルコ・ポーロによるアジアの話や、ギリシャ神話といった自分がもっている知識を総動員して「人食い人種カニバル」を想像した。それは、コロンブスが、自らの業績を輝かせ、野蛮な人々にキリスト教を伝える義務感を、キリスト教世界の人々に与えるためのレトリックだった。

弘前大学教育学部紀要. 115-1, p.79-81, 2016

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