エモーション・フォーカスト・セラピーによるうつへのアプローチ -恥の変容に注目して-

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タイトル別名
  • Emotion-focused therapy to treating a female client suffering shame-related depression

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近年,クライエントの感情に注目する統合的な心理療法が北米を中心に発展している。中でも,エモーション・フォーカスト・セラピー(以下,EFT)は,うつに対するエビデンスを持つ心理療法として注目されている。EFT では,うつの背景に内在化された恥と自己批判があると考え,うつの治療における恥の変容を重視する。だが,個人の感情表現はその人の属する文化に影響を受ける。感情表現を抑制する傾向が強い日本人の場合,うつに対するEFT で恥の問題がどのように展開するのだろうか。本研究では,恥とそれに伴う自己批判から生じるうつに苦しんだ女性とのセラピーの経過を報告する。彼女が生育史を通じて内在化してきた恥は,劣等感や疎外感を喚起し,対人関係にも影響を及ぼしていた。考察では,クライエントにみられた内在化された恥について論じるとともに,恥の変容をもたらしたEFT の椅子のワークのプロセスについても検討する。

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