琥珀を入浴剤として用いた時の生体に及ぼす生理作用

抄録

琥珀を入浴剤として用いた時に生体にどのような生理学的効果をおよぼすかを、脳波と自律神経機能の変化を指標として検討した。被験者に琥珀入りの温湯で足浴してもらい、その際に認められる変化を記録・解析した。琥珀を入浴剤として用いた場合、足浴によるα波振幅の増加が琥珀無添加時よりも大きかった。このα波の変化は温泉入浴剤の「湯の花」とは異なり、入浴後早い段階から認められた。また自律神経機能の指標となる呼吸感覚が、琥珀によって長くなった。さらに、琥珀により副交感神経系の指標となる心臓拍動ゆらぎのHF成分が亢進していた。以上ことから、入浴剤としての琥珀には、足浴が本来持つ神経活動レベルの安定状態(リラックス)をさらに促進する作用があるものと考えられる。また、副交感神経系を亢進させ、身体を休める作用は「湯の花」よりも大きいと考えられる。琥珀の持つこのような生体への効能を、新たな製品開発に生かしていくことは、三陸地域の振興に大きく貢献すると考えられる。

収録刊行物

  • 三陸総合研究

    三陸総合研究 (26), 1-8, 2005-02-28

    財団法人さんりく基金

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