文化地理学における文化の概念
説明
文化地理学(cultural geography)は,近年,人文地理学(human geography)の1部門として,アメリカを中心に急速に発展したが,その定義や方法,研究対象については,今なお必ずしも明確な一致を見ていない。しかし,そこにおいて文化(culture)の概念が重要な役割を占めていることは,異論のないところであろう。文化地理学が,文化(または文化現象)を対象とする地理学,あるいは文化の概念の地理学への適用,であるとすれば,その方法論体系の構築は,文化の概念を明らかにし,そこにおけるその役割と有効性を明示することから始めねばならない。しかしながら,従来この問題に関して文化地理学者達の議論が十分つくされたとは言い難い。そこで,小論においては,従来の文化地理学における文化の概念規定及び文化地理学の体系におけるその位置づけと役割をめぐって若干の展望を行い,そこにおける一般的傾向と問題点を探るとともに,斯学における文化概念のあるべき姿についての2,3の私見を付け加えた。
収録刊行物
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- 思想と文化
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思想と文化 123-143, 1986-02-05
岩手大学人文社会科学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001202675676544
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- NII論文ID
- 120002028725
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles