解体再利用の容易性を考慮した軸組構法用耐力壁パネルのせん断性能

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  • カイタイ サイリヨウ ノ ヨウイセイ オ コウリョ シタ ジクグミコウホウヨウ タイリョク カベパネル ノ センダン セイノウ

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抄録

釘打ちが少なく解体が容易な耐力壁パネルとして,合板の周囲をスリット付き枠材で取り囲む真壁的な壁パネルを考案した。そのせん断性能を評価するため,大壁仕様の合板張耐力壁を比較対照とした面内せん断試験(タイロッド式および載荷式)を行い,以下の知見を得た。 この壁パネルは大壁パネルよりも大きな最大耐力,終局耐力,降伏耐力を示す一方で,構造特性係数が大きく,大壁パネルに比べて靭性に乏しいという特徴が現れた。この傾向は載荷式試験よりもタイロッド式試験において顕著であった。また,大壁パネルでは正負荷の破壊で合板が軸組から浮くと,続く負負荷では抵抗性が発拝できないが,この壁パネルでは健全な別の対角部が抵抗するため加力方向による耐力の差は小さく,大壁とは異なる特徴が現れた。大壁式パネルの壁倍率はタイロッド式,載荷式ともに2.3であった。一方,この壁パネルの壁倍率はタイロッド式, 載荷式ともに2.6となり,同一仕様の合板を用いた大壁式耐力壁と比べて同等以上のせん断性能を持つと判断できる。

収録刊行物

  • 木材学会誌

    木材学会誌 49 (1), 31-39, 2003-01-01

    日本木材学会

参考文献 (15)*注記

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