The Development of Welfare Economics:Orthodox History after Pigou,and Recent Studies

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抄録

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限界分析による最適化の手法と功利主義哲学を融合させたピグーは,厚生経済学の創始者として位置づけられている。だが,ピグー流の厚生経済学は,基数的効用とその個人間比較を前提としていたため,ロピンズを筆頭とする後代の学者たちからその非科学性を厳 しく断罪された。それを契機に,新厚生経済学の誕生という展開がもたらされた。そこにおいては,基数的効用ではなく,序数的な効用論とパレート効率性が採用され,カルド ア・ヒックスの補償原理,パーグソン・サミュエルソンの社会的厚生関数といった理論が確立された。しかしながら.分配問題の回避,アローによる不可能性定理によって,新厚生経済学においても深刻な欠陥があることが指摘された。その後は,センらによる非厚生主義的・非帰結主義的な情報を基礎とする現代厚生経済学が登場することとなった。また.以上のようなケンブリッジの流れとは別に,オックスフォードの流れを承けた厚生経済学の存在も指摘され得る。こちらは,ケンブリッジ学派以上に政策や実践に影響を及ぼ した。

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