フランスにおける同性婚法の成立と保守的家族主義への回帰
書誌事項
- タイトル別名
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- Législation du mariage homosexuel et le retour au conservatisme en France
説明
2013年5月,フランスにおいてようやく同性婚法が成立した。一般には,1999年末に成立したパックス(PaCS)をもってフランスは同性カップルを国家的に認知し,法的裏付けを与えたということになっているが,男女のみに許可されている既存の婚姻制度を批判し,婚姻法そのものの改正を求めていた同性愛者たちにとっては,パックスの成立は前進ではなく,むしろフランス国家からの否定的回答であったと言える。 今回の同性婚法成立は,そのこと自体は多様な家族生活,ライフスタイルを認めるという観点からすれば前進と言えるが,しかしその成立直後には,パックス成立時の時以上の反対運動が行われた。そして,そこでは,同性愛のみならず,伝統的家族以外の家族形態すべてが批判され,保守主義・家父長主義回帰が見られたのである。もはや同性婚以前の問題であり,保守的な男女の規範が賛美された。
収録刊行物
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- 中央大学経済研究所年報
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中央大学経済研究所年報 45 13-37, 2014-09-25
中央大学経済研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001202724810240
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- ISSN
- 02859718
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB