戦後日本経済の時期区分
Description
本稿は,戦後日本経済の発展史をたどるために,どのように区分して,それをどのように特徴づけるか,考察することである。 経済事象は連続しているので,それをただ時系列的に述べるのではなく,時期区分して,その特徴を明らかにしようとするものである。 経済発展は,時期区分できるほど,きちんとした変動をみない。政策の転換や急変するような事態の発生などをメルクマールにして,区切りをつけることは可能であろう。しかし,それが全体に浸透して,変化をもたらすには,タイムラグがある。また,一つの要因で変化が起きるわけでもない。だから,時代を画する特徴をあげることが困難であった。 景気循環やマクロ統計をたよりに,時代の特徴を析出することから始めた。次いで,これまでの斯界の論議を検証して,それぞれの時代の推進軸がなにか考察した。その上で,それぞれの期間に起きた事象を拾いながら,いかなる関連がみられるか分析し,その時代の特徴を説明するという手法をとった。経済事象には,それを構成する要素があり,その要素は複合しているが,経済を動かす要因となる。そういう要因は,国の政策等の国内的なものもあるし,外国からの変動が波及するものもある。それらが相互作用して経済関係に変化をもたらし,内部矛盾が高じると自壊して変化をおこすこともある。そのような変動を時期別に折出して,時期区分の特徴を明らかにすることとした。それを総括した試論表をマトリックスにして,末尾に示しているので,参考としてほしい。そういう意味で,本論の分析は試論的な,区分的特徴を述べることにした。
Journal
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- 中央大学経済研究所年報
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中央大学経済研究所年報 50 67-103, 2018-10-10
中央大学経済研究所
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050001202725091712
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- ISSN
- 02859718
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB