共同作成の場におけるノートテイキング・ノート見直し

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タイトル別名
  • Note-Taking and Note-Reviewing in a Seminar Class Setting
  • キョウドウ サクセイ ノ バ ニ オケル ノートテイキング ノート ミナオシ

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抄録

本論文の目的は, ノートテイキング (NT) とノート見直し (NR) について, 新しい研究の視点を生成することにある。そのために, 共同作成の場と見なすことができる大学院の演習場面におけるある参加者のNT・NRを事例としてとりあげ検討した。分析の結果, 「NT→NR→U (発言)」という行為連鎖を1つのエピソードとする, 全体で40のエピソードが抽出された。各エピソードをさらに分析したところ, 「NT→NR→U」について次の3つの特徴を見出すことができた。すなわち, 「NT→NR→U」は,(1) 他の参加者に向けた応答過程として組織されている,(2) 共同作成という場の構造やそれへの積極的な参加と密接に結びついている,(3) ノート表現やノート表現にもとつく発言の中に他者のことばと自分のことばの重なり合いを産み出す。最後に, 以上の分析から導き出されるNT・NR研究の新しい視点として, 行為連鎖の中でNT・NRをとらえる視点, 教授学習場面の構造と参加のし方からNT・NRにアプローチする視点, NT・NRの対話的側面にアプローチする視点を提示した。

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