知的障がい者と演奏会に関する一考察 ~コミュニティーミュージックセラピー~

書誌事項

タイトル別名
  • The Benefits of Concerts for People with Mental[or Intellectual] Disabilities The Benefits of Concerts for People with Mental[or Intellectual] Disabilities\n~ Community Music Therapy ~
  • チテキ ショウガイシャ ト エンソウカイ ニ カンスル イチ コウサツ : コミュニティー ミュージック セラピー

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抄録

知的障がいがある人々にとって,余暇を有意義に過ごす必要性が唱えられてはいるが,積極的に友人と外出を行うなど活発に活動を行っている人の割合は少なく,また,参加できるような文化活動が少ないのが現状である。そのため,自室にてテレビ視聴や音楽鑑賞を行うなどの受動的な活動に偏る傾向があり,他者との関わりが希薄になるため,地域社会との関わりにも隔たりが出来てしまうことが問題として指摘されている。  コンサートへ行くことは,彼等が望む余暇の過ごし方において,希望者が多いものであるが,様々な支障が生じるために,実際には,演奏会場へ出向くことは難しい。近年では,障がいのある人も参加できるように配慮された,バリアフリーコンサートという名の付いた演奏会が,増加してきているように思われるが,生の音楽を体験することができる機会は少ないのが現状であろう。  音楽療法分野においては,コミュニティー音楽療法という新しいアプローチが紹介され,障がいを持つ人達が演奏会に参加する活動が報告されるようになってきた。前者のように障がいがある人も一緒に楽しむことができる演奏会とコミュニティー音楽療法の一環として行われる演奏会との相違はあるのだろうか。  本稿では,まず,知的障がい者における余暇の問題を明らかにした上で,彼等にとって演奏会が縁遠いものとなっているその要因を検討する。そして,コミュニティー音楽療法という視点からそのアプローチとして行われる演奏会と,通常の演奏会を聴くこと,又は参加することと如何に異なるのかということについて考察を行う。

収録刊行物

  • 中国学園紀要

    中国学園紀要 9 45-51, 2010-06-16

    中国学園大学/中国短期大学

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