[研究ノート] 統計学のススメ : 大学の間に学んでおくべきこと

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タイトル別名
  • トウケイガク ノ ススメ ダイガク ノ アイダ ニ マナンデ オク ベキ コト
  • Encouragement of Statistical Learning : what one should learn at university

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抄録

統計学の知識、言い換えるならば、不確実な出来事に対する問題解決能力は、現代社会を生きていく上で必須のスキルである。年齢や性別、職業の有無やその内容にかかわらず、誰にとっても不可欠な知識である。このため、統計教育は世界各国で重視されてきたが、日本は大いに立ち後れてきた。特にこの10年間は逆行してきた感すらある。統計学の重要性は、日本の企業に対する聞き取り調査でも明らかである。一方、同じ調査では、近年の大卒新入社員の統計能力が不十分であるという指摘もなされている。児童や生徒に対する国際学力比較テストで、統計学関連の問題の正答率が著しく低かったことが報告される。このような状況を受け、学校教育も大きく変わりつつある。これから実行される新学習指導要領では、他の科目に比して統計学の充実ぶりが目を引く。またその内容も、従来の「資料の整理」から「資料の活用」「データの分析」へと大きく変化した。統計学は、単に表やグラフが作成でいることでもないし、難しい数式を理解することでもない。現実のできごとを把握し、問題点を洗い出し、解決していくための総合力である。現行指導要領で学んだ者は、たとえばその大学在学中に、統計知識をしっかりと学び、社会を生き抜く基礎能力を身につけておくことが必要であろう。

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