「バークとマルサス」はどのように論じられてきたのか? : 研究史から見えてくるもの

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タイトル別名
  • 「 バーク ト マルサス 」 ワ ドノ ヨウ ニ ロンジラレテ キタ ノ カ? : ケンキュウシ カラ ミエテ クル モノ
  • How has 'Burke and Malthus' been discussed? : A Critical Review of the Previous Studies and Prospects for Future Research

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抄録

本稿は、中澤(2009)に寄せられたいくつかの重要な批判点・疑問点に対するリプライの作成をきっかけとして、「バークとマルサス」研究の来し方を振り返りつつ、その行く末を展望することを試みた。具体的には、(1)イギリスの保守主義を非ロマン主義の系譜――「バークからコールリッジ(or サウジー)へ」でなく「バークからマルサスへ」――において読み解くことの妥当性と独自の意義を強調した。また、(2)バークとマルサスによって礎石を据えられた「イギリス保守主義の政治経済学」は、その経済政策原理としての側面が後代に継承されていったのではないか、という今後の研究展望を示した。本稿成立のより本質的な背景要因として中野(2013)がある。中野(2013)がロマン派の文学者コーリルッジの思索を導きの糸として描き出そうとした保守主義像は、中澤(2009)が描き出そうとした保守主義像と真っ向から対立する様相を示している。そこで本稿は中野(2013)の保守主義理解の妥当性についても詳細な批判的検討を試みた。

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