日本における家計部門の貯蓄率とその推移 : SNA、家計調査、全国消費実態調査間の貯蓄率乖離の調整とその比較

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  • ニホン ニ オケル カケイ ブモン ノ チョチクリツ ト ソノ スイイ SNA カケイ チョウサ ゼンコク ショウヒ ジッタイ チョウサ カン ノ チョチクリツ カイリ ノ チョウセイ ト ソノ ヒカク
  • The Trends of Japan's Household Saving Rate : Comparison of Saving Rates based on three major Japanese Household Statistics

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抄録

本稿では、日本における家計部門の貯蓄率の実態を明らかにするため、従来から問題となっていたマクロ統計(『国民経済計算』)とミクロ統計(『家計調査』、『全国消費実態調査』)の貯蓄率乖離の問題を取り上げ、その調整を試みた。先行研究では、両統計の概念調整をしてもまだ残る乖離の主な要因は、『家計調査』の調査誤差にあるとされていた。それに対して、本稿では、『家計調査』の誤差は、そもそも『家計調査』の調査対象が2人以上の勤労者世帯に偏っている点にあると考え、単身世帯、無職世帯も含まれている『全国消費実態調査』をベースに家計の平均的な貯蓄率を推計した。その結果、2000年以降については、『国民経済計算』における家計部門の貯蓄率と整合的な貯蓄率を得ることができた。さらに、『家計調査』ではとらえ切れていなかった1990年代後半の貯蓄率低下の傾向も、『全国消費実態調査』ベースで推計することによってとらえることができた。

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