地域医療を考える : 中頓別町にて

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  • チイキ イリョウ オ カンガエル ナカトンベツマチ ニテ
  • A crisis of the community health care system in Nakatombetsu, northern Hokkaido

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北海道枝幸郡中頓別町で、町内で唯一の入院設備をもつ町立病院の院長の退職願が受理された。地元出身の院長として着任から約6年にわたり地域医療に尽力し、病院の改革や町の保健福祉事業に取り組んできた彼の決断に、町は大騒ぎとなった。気候の厳しい過疎地域、加えて広大な面積のため人口密度が低い不採算地域の自治体病院の経営は確かに厳しく、院長の職責は非常に重い。また、一般病床50床に対して常勤医師が2名という体制では、たとえ病床利用率が5割ほどだとしても医師に対する入院患者の割合は高く、外来患者の対応も考えると過酷な勤務実態とならざるを得ない。院長の辞意の表明をきっかけに、住民が地域医療を巡る環境の厳しさや現状を知り、自分たちでそのあり方を考え、守っていかなければならないという機運が高まった。しかし、いかに状況が厳しいのかは、実はあまり理解されていない。本稿では、保健や福祉との連携や、地域包括医療の取り組みといったこれから目指すべき姿を議論するために、中頓別町を事例として地域医療を考察した。

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