化学物質過敏症患者の家族関係を中心とした「生きづらさ」

書誌事項

タイトル別名
  • Inquiry into the pain of living on family relations among patients with Multiple Chemical Sensitivity
  • カガク ブッシツ カビンショウ カンジャ ノ カゾク カンケイ オ チュウシン ト シタ 「 イキズ ラ サ 」

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説明

本研究の目的は,化学物質過敏症患者の病気をめぐる語りの中から,家族関係上の生きづらさを明確にすることであった.40~50歳代の女性MCS患者5名が研修参加者となり,半構造化面接によって,研究参加者が,家族関係の中で感じている苦しさについて語った.その内容をボイスレコ-ダ-で録音した上で逐語録にし,それらのデータを質的記述的に分析した.その結果,MCS患者の家族関係上の生きづらさは,【理解してくれない家族への困惑】,【家族との生活への戸惑い】,【家族からの理解に対する諦め】,【家族の言動による悲傷】,【家族に対する怒り】,【家族関係の崩壊】という6つのカテゴリーで示すことができた.本研究の結果から,化学物質の曝露を避けなければならないMCSの治療法をめぐって,MCS患者が家族関係の中で抱いている心理的葛藤が明らかになった.それらの心理的葛藤は,MCS患者の家族関係の中に存在する生きづらさの核心であった.

収録刊行物

  • 三重看護学誌

    三重看護学誌 20 25-32, 2018-03-26

    三重大学大学院医学系研究科看護学専攻

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