Preferences of Allocators and Recipients in Income Redistribution : A Validation by Comparison of a Laboratory Experiment to a Questionnaire-based Survey

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Other Title
  • 所得再分配における分配者・被分配者の選好 : アンケート調査と経済実験の対比からの検証
  • ショトク サイブンパイ ニ オケル ブンパイシャ ・ ヒブンパイシャ ノ セン コウ : アンケート チョウサ ト ケイザイ ジッケン ノ タイヒ カラ ノ ケンショウ

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Abstract

所得再分配における分配者、被分配者の選好を調査するために、社会人を対象にしたアンケート調査と学生を雇用した被験者実験の両方を行った。ディクテーターゲームに類似する条件を参加者に提示する形でおこない、調査手段から生じる選好の違いと共通点を検証している。結果としては、被験者実験では分配者が表明する被分配者への分配額はアンケートに比して少なく、また被分配者が分配者に求める分配額はより多くなる傾向が見られた。より詳細に検討すると、アンケート回答において、自分が豊かで分配する側なら多くの分配をする代わりに貧しければ多くの被分配を求める、または、自分が貧しい時にはあまり分配を求めない代わりに自分が豊かな時も分配したくないという、一方で利他的で他方で利己的な選好が多く観察された。このことから、単純に被験者実験が報酬という金銭的誘因から参加者の行動をより利己的な方向へ誘導し、それがないアンケート調査はより規範的な回答を導きやすいとは言えないことが示された。こうした回答傾向になる理由は今後の検証の課題となる。さらに格差発生の要因が運、努力、才能のいずれか一つのみと仮定した場合の分配の選好を尋ねた。その結果アンケートにおいては所得格差が運の要素で発生する場合には、努力や才能で所得格差が発生する場合よりも、分配者の立場でも被分配者の立場でもより多くの再分配を選好することが示された。これは多くの被験者実験で確認されている傾向である。しかし本論で行った被験者実験ではサンプル数が充分でないためか、アンケートと異なりその傾向は確認されなかった。

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