「一人っ子政策」と中国人の出産・育児観の変化―中国広東省を事例に―

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  • 「 ヒトリッコ セイサク 」 ト チュウゴクジン ノ シュッサン ・ イクジカン ノ ヘンカ : チュウゴク カントンショウ オ ジレイ ニ

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抄録

「一人っ子政策」の廃止後、中国が出生率を回復できるかどうかに注目が集まっている。本稿では、広東省においてインタビュー調査を実施することから、「一人っ子政策」廃止直後の若年女性の出産・育児に関する価値観を探った。中国都市部の独身女性が伝統・規範に反発し、自己主張・自己実現を望むという点は、先進諸国で生じた「第2 の人口転換」の特徴に類似している。しかし、同時に「80・90 后世代」(1980-90 年代生まれ)の女性の第2 子出産意欲の高さや親世代からの育児援助に対するジレンマが顕著になりつつあり、専業主婦志向という逆向現象も起こっている。この中国人の出産・育児に対する意識は、強力な人口政策の影響だけでなく、複数の社会的要因と連動している。本研究は、今後の中国人の出生行動を予測するとともに、世界的な人口動向の中に中国を位置付けるという試みである。

収録刊行物

  • 言語と文明

    言語と文明 15 81-99, 2017-03-31

    麗澤大学大学院言語教育研究科

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