食餌性イレウスの 2 例

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タイトル別名
  • ショクジセイ イレウス ノ 2レイ

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抄録

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症例 1 は 56 歳男性. 腹痛を主訴に当院を受診した. 癒着性イレウスと診断し, 手術を施行した. トライツ靭帯から 70~120 cm 肛門側の小腸の拡張, 浮腫が強く, 多量の腸内容物を触知した. 腸内容物は未消化の昆布であった. 腸内容物を除去後, 小腸部分切除術を施行した. 症例 2 は 49 歳男性. 腹痛を主訴に当科を受診した. 食餌性イレウスと診断し, ロングチューブを挿入し経過観察したが, 時間の経過とともに腹膜刺激症状が出現した. 絞扼性イレウスの可能性も否定できず, 緊急手術を施行した. 回腸末端から 80 cm 口側の小腸で停滞している腸内容物を触知した. 用手的に大腸, 肛門外へと誘導した. 食餌性イレウスの診断は困難で, 絞扼性イレウスとして緊急手術がされている例も多い. イレウス症例において, CT で気泡を含んだ塊状物を認めた場合は食餌性イレウスを念頭に置き, 詳細な食餌内容や食餌習慣の問診が重要であると考えた.

収録刊行物

  • 三重医学

    三重医学 53 (1-4), 11-14, 2010-03-04

    三重大学医学部

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