特定外来生物カワヒバリガイの分布拡大過程と侵入経路の推定

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  • トクテイ ガイライ セイブツ カワヒバリガイ ノ ブンプ カクダイ カテイ ト シンニュウ ケイロ ノ スイテイ

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抄録

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カワヒバリガイは,中国,朝鮮半島原産の淡水二枚貝で, 日本,台湾,南米各国に侵入し,大規模な付着被害を起こしている。本研究では日本の個体群の遺伝的組成を調査することで,その起源や侵入経路の推定を試みた。その結果,日本の個体群は東日本グループと西日本グループの2群に分けられ海外から少なくとも2回侵入したことが明らかになった。遺伝的組成の比較から東日本グループの起源は上海,韓国であることが推定された一方で、,西日本グループの起源は特定できなかった。西日本グループは近畿から関東北西部に分布し,水系聞に遺伝的組成の大きな違いが見られないことから,国内で飛び火的な移動に伴う分布拡大が起きていると考えられた。また、同水系内の個体群間でも遺伝的組成は類似しており,河川や水利施設を介した水系内の分布拡大も起きていると考えられた。本種のさらなる分布拡大の防止には,推定された分布拡大要因を検証し要因ごとに対策をとる必要があると考えられる。

収録刊行物

  • 地球環境

    地球環境 17 (2), 143-150, 2012-01-01

    国際環境研究協会

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