エピソード記録の重ね合わせの可能性

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抄録

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本研究は、学校における児童の経年変化を可視化する方法を提示し、その可能性について検討することを目的とする。そこで、継続的な参与観察において様々な現場経験・研究的視点をもった観察者によるエピソード記述を重ね合わせることにより、対象児童の変容と経年的な教科の(また教科を超えた)学びの履歴を可視化する。記録はグラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析し、時間・空間を超えて照らし合わされる。この手続きにより、ひとつの解釈に集約されるのではなく、同時に存在する多様な解釈への可能性が開かれる。このようにして明らかになった児童の経験の履歴は、感受・体験を形式化して表現するプロセスの繰り返しが内包され、学びの系統性や多面的な児童像を含んだ立体的なものとして提示される。これは、学習者(児童)の視点から学校文化をとらえなおす可能性をもつものである。

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