マツ属の交雑育種に関する研究 (II) : クロマツ×アカマツ他数種類の種間交雑における受精過程について

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書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the cross-breeding of Genus Pinus (II) : On the process of fertilization in the interspecific pollination of Pinus thunbergii Parl. with P. densiflora Sieb. et Zucc. and other pine species
  • マツ属の交雑育種に関する研究-2-クロマツ×アカマツ他数種類の種間交雑における受精過程について
  • マツゾク ノ コウザツ イクシュ ニカンスルケンキュウ 2 クロマツ アカマツ

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抄録

本報告はPinus thunbergii Parl. を雌性親とし, Pinus densiflora Sieb. et Zucc. 他数種類の種間交雑を行ない, それぞれの受精過程を組織学的に調べ検討したものである。交雑は1968年京都大学農学部附属演習林上賀茂試験地で行なわれ, 調査は受粉時から受精時まで, 一定期間ごとに球果を採取固定し, 永久プレパラートを作成し, 胚珠の発達経過が検鏡された。その結果, P. thunbergii の種内, P. thunbergii×P. densiflora, ×P. massoniana, ×P. luchuensis の種間では雌, 雄性配偶体とも正常に発達し, 種子の成熟時における調査では充実種子が得られた。しかし, ×P. banksiana, ×P. pinaster, ×P. rigida, ×P. taedaなどの4組合せでは, 雌性配偶体の発達は正常であったが, 雄性配偶体の発達は不正常であり, このことが充実種子の得られない結果となった。充実種子の得られなかった組合せの不稔現象は, 受精過程の中で, もっとも早い時期に起り, 花粉の不発芽や花粉管の伸長がまったくみられなかった。この現象については種々考えられるが, とくに, 種類それぞれがもつ遺伝的要因, あるいは, 化学的物質などのちがいが, 花粉の発芽や伸長に対し, 制御反応として働くためであろうと考えられる。

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