マツ属の葉の寿命
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- 大畠, 誠一
- 京都大学農学部助教授
書誌事項
- タイトル別名
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- Leaf Life Spans in Genus Pinus
- マツゾク ノ ハ ノ ジュミョウ
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抄録
マツ属各種が獲得した性質を理解するための一連の研究として、マツ属のもつ葉の寿命を冬季の着葉年数によって調べた。その結果, 下記の点が明らかにされた。1) 枝間の平均着葉年数は種類によって様々で, 1. 19-3. 53年程度であった。カラマツ属を除くマツ科植物内では, マツ属の葉の平均寿命は短い値をもっていた。2) マツ属各種のもつ様々な平均着葉年数と原産地の温度, 日長など, 特定の要因との関係は明かな対応関係になく, 葉の寿命がそれらに直接対応した性質ではないことを示した。3) 古い形質のマツでは, 着葉年数が長い種類が多い傾向が認められ, 時代の経過とともに葉の寿命の短い種類が分化したものと考えられた。4) マツ属での葉の寿命の長さは, 系統的な分類群間で異なる傾向と, 分類群内の近縁種間でも差異のある性質が明かになった。各系統, 各種間での差異は, マツ属が種によって独自の方向へと種分化した結果と考えられた。
収録刊行物
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- 京都大学農学部演習林報告
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京都大学農学部演習林報告 64 15-26, 1992-12-21
京都大学農学部附属演習林
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001335799670656
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- NII論文ID
- 120005516209
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- NII書誌ID
- AN00061068
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- ISSN
- 0368511X
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- HANDLE
- 2433/192030
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- NDL書誌ID
- 3842256
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL
- CiNii Articles