芦生研究林における林道走行中のシカ目撃数のモニタリング

  • 合田, 禄
    京都大学大学院農学研究科森林科学専攻(現在の所属 : 朝日新聞)
  • 井上, みずき
    秋田県立大学生物資源学部生物環境科学科
  • 高柳, 敦
    京都大学大学院農学研究科森林科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Road census for sika deer monitoring at the Ashiu Forest Research Station of Kyoto university
  • アシウ ケンキュウリン ニ オケル リンドウ ソウコウチュウ ノ シカ モクゲキスウ ノ モニタリング

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抄録

芦生研究林におけるシカの目撃数の傾向を検証することを目的とし, 林道を車両で走行する際に, 日付や時間などを特に指定せずシカの目撃数を記録した.またそれが生息密度の指標を得る手法として可能かどうかを議論した.芦生研究林内の頻繁に利用される林道をA~Fのルートに分け, 研究者や職員が林道を車両で移動するときに, 日付, 走行するルート, ルートの走行開始時の時間と天候を記録した.シカを観察した場合は, シカの目撃数とその性・齢クラスを記録した, 2006年9月27日から2007年12月12日にかけて, のベ1569ルートのデータが得られた.一般化加法モデル(GAM)を用いて解析した結果, 林道走行1㎞当たりのシカの目撃数は, 日付, 時間, ルートおよび日付と時間の交互作用で説明された.季節によって目撃数の変動がみられたほか, 日中よりも早朝や夕方以降に観察されることが多かった.この手法は他の生息密度指標よりも低コストであるため, データを継続的に収集することが比較的容易である.継続的におこなうことにより, 年度も変数に加え, シカの生息数の増減をモニタリングするための1つの手法となる可能性がある.

特集 : ニホンジカの森林生態系へのインパクト: 芦生研究林

収録刊行物

  • 森林研究

    森林研究 77 89-94, 2008-12-26

    京都大学フィールド科学教育研究センター森林生物圏部門

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