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  • [特集] 膵癌と鑑別を要する慢性膵炎

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Groove pancreatitisは十二指腸下行脚と膵頭部および総胆管の間の溝(groove)に限局する特殊な慢性膵炎である. 組織学的には慢性膵炎による線維化を伴う瘢痕が認められる. Pure formとsegmental formに分類されている. 臨床的には十二指腸狭窄と総胆管狭窄による閉塞性黄疸で発症することが多い. 主膵管には変化がみられないこともある. 本症ではGroove領域に帯状の腫瘤が認められ, ダイナミックCTやMRIの早期相では濃染不良であり, 後期相で濃染してくる. 腫瘤内に嚢胞が認められることが多い. Groove pancreatitisでは画像上比較的特徴的な所見を呈するので診断は比較的容易と考えられるが, groove pancreatitisに類似したgroove領域に限局した膵癌も存在するので診断にあたっては注意を要する. Grooveとは十二指腸下行脚と膵頭部ならびに総胆管の間の脂肪織からなる溝を意味する. このgroove領域に比較的限局した特殊な慢性膵炎を総称してgroove pancreatitisとよんでいる.

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