社会事業家加島敏郎と朝鮮 - 大阪汎愛扶植會から朝鮮扶植農園へ -

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タイトル別名
  • シャカイ ジギョウカ カシマ トシロウ ト チョウセン - オオサカ ハンアイ フショクカイ カラ チョウセン フショク ノウエン エ -
  • Shakai jigyoka Kashima Toshiro to Chosen - Osaka hanai fushokukai kara Chosen fushoku noen e -

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明治29年に汎愛扶植會と名付けた孤児院を大阪・今寺で始めた加島敏郎は，明治30年代末に財政難のため財産を処分し，学齢児童のための汎愛扶植會は大阪・林寺に残す一方で，明治43年には朝鮮・大邱郊外に農地を求め，出身者の就職先確保を目指した。その朝鮮扶植農園は当初は大阪から連れて行った孤児たちだけのものだったが，次第に現地の孤児たちも収容した。さらに加島敏郎は大阪の地で朝鮮人労働者のための社会事業をも展開し，時の政府に働き掛け，大正12年には内鮮協和會を発足させた。この加島敏郎の日本と朝鮮にまたがる社会事業を支援したのは，同時期に発足した朝鮮総督府，また国策会社の東洋拓殖株式会社だったのであり，政府による植民地統治と加島敏郎の社会事業とがどう重なり，どう識別出来るのかについて，ここでは主観的意図と客観的帰結の観点からの理解を試みる。

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 48 (6), 67-87, 2006-02

    慶應義塾大学出版会

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