個人からアプローチする組織変革 : 組織硬直化要因と硬直からの脱却

書誌事項

タイトル別名
  • コジン カラ アプローチ スル ソシキ ヘンカク : ソシキ コウチョクカ ヨウイン ト コウチョク カラ ノ ダッキャク
  • Kojin kara apurochi suru soshiki henkaku : soshiki kochokuka yoin to kochoku kara no dakkyaku
  • Organization change started with individual

この論文をさがす

説明

type:text

時代の変化とともに,企業は変革を余儀なくされている。組織変革の対象は,「組織全体」を変えるものから「従業員個人」を変えるものまで様々である。議論が継続されているにもかかわらず,組織の複雑化と不連続な外部環境変化から,企業は思い通りに変革を進めることができないケースが見られる。その解決に向けて,本稿では,競争優位の源泉であり,優位性構築の担い手となる人的資源に注目し,組織レベルの硬直的な現象に対して,個人が組織変革に向けてなぜ行動できないのかを明らかにするとともに,その原因を取り除く方法について,提案ならびに検証を試みた。 企業が変革を進めるためには,組織レベルの取り組みだけではなく,従業員レベルから変革に取り組むための働きかけが不可欠である。変革の起点は,トップからと現場からの2方向が考えられるが,いずれのケースにおいても,現場レベルで意識を高め,変革を進めていく必要がある。 現場レベルで意識を高め変革を進めていくためには,個の主体性を尊重しなければならないが,それを阻害する要因がいくつか考えられる。調査によると,企業は変革を進めることを高く評価しているものの,現実にはそのための時間をかけることができていない。 そこで,個の主体性を尊重し,変革を進めるために, 3つの仮説を構築し,それをアンケート調査により検証した。すなわち,従業員が市場動向を不連続にとらえ(仮説1 ),長期の課題解決に費やす時間をとり(仮説2 ),そのような将来の課題解決に向けた活動を企業が高く評価する(仮説3 )ほど,従業員が変革を進めることができていることが検証された。企業が変革を進めるためには,個の主体性を尊重したマネジメントに加え,従業員に対してこのような取り組みを進めていかなければならない。

商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty 十川廣國教授退任記念号 = In honour of Professor Hirokuni Sogawa 50周年記念論文・退任記念論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 50 (3), 285-294, 2007-08

    慶應義塾大学出版会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ